クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]/Viva Video! 久保田成子展
東京都現代美術館において新しい展覧会が始まりました。以下3本の展覧会が同時開催中です。
・クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]
・Viva Video! 久保田成子展
・ユージーン・スタジオ 新しい海
クリスチャン・マークレーは、一貫して音楽や音の社会における表象を追ってきたアーティストで、1979年にターンテーブルを用いたパフォーマンスを通してアートと音楽の探求をはじめ、初期のシリーズ”Recycle Records”では、レコードそのものを切断、コラージュし、再生可能でありながら予測不可能な音楽を作り出しました。マンガに現れる音の表現であるオノマトペをモチーフとした作品、異なるレコードのジャケットをつなぎ合わせた”Body Mix”シリーズなど、音楽をテーマとしながら、そこに浮かび上がる社会問題を鋭く捉え、表現しています。映像作品もとても良かったので、ぜひゆっくりご覧いただきたいです。 本展カタログは、12月下旬に発行が予定されています。こちらでも取り扱い予定です。当サイトにて音楽とアートをテーマに本を選んでいただいた中川克志さんも寄稿されています。
同時開催のViva Video! 久保田成子展も充実の内容です。久保田成子は活動の初期にはフルクサスに所属し、映像と彫刻を組み合わせた「ビデオ彫刻」で知られるビデオ・アートの先駆者の一人です。資料等のアーカイブも充実し、こちらもとても見応えがある展覧会になっています。「デュシャンピアナ」シリーズでは、マルセル・デュシャンの作品を新たな解釈で乗り越えようとする一連の作品が見られます。その後のビデオ彫刻は山、川、水といった自然のモチーフをテーマに、映像と彫刻とが組み合わされ、独自の世界観が表現された圧巻の作品群です。
東京都現代美術館の隣には、広大な敷地を誇る木場公園があり、テニスコート、ドッグラン、噴水、広場と、施設も充実しています。コーヒーをテイクアウトして散歩するのもいいですね。(残念ながらこの日は曇り。。)