著者:佐藤 康邦
出版社:筑摩書房(ちくま学芸文庫)
言語:日本語
サイズ:13.0 x 18.8 cm
リンク
--------------------------------------
ルネッサンスが生みだした遠近法。東洋や日本の表現とも比較しつつ、絵画技法という枠を超え、その真の世界観的意義を掬いだす。解説 小田部胤久
”遠近法”という表現様式は自明のものではなく、ルネッサンス期に確立したひとつの世界観である。パノフスキーらも論じてきた遠近法の成立や発展の背景を、本書は思想史的観点から深く掘り起こし、水墨画や日本絵画における表現法も引きくらべつつ、絵画の一技法という枠を越えて文化全体の文脈のなかで、その真の世界観的意義を捉えなおす。さらに、カントやヘーゲルなどのドイツ観念論における芸術理論、近代日本絵画における格闘を追いながら、美術と哲学の関わりを掬いだす。ユニークな切り口で美術史学の重要論点に切り込んだ名著。
目次
第1部 絵画空間の哲学(遠近法とは何か
科学革命と遠近法
遠近法の世界観的意義
近代絵画における遠近法からの離反
奥行の哲学的考察
東洋の遠近法
現代における遠近法)
第2部 ルネッサンスの美術
第3部 ドイツ観念論における芸術の位置
第4部 近代日本における西洋体験―岸田劉生の場合(西洋の音、西洋の色
岸田劉生)