出版社:浄土複合
サイズ:A5変形判
これまでの生活もままならない非常事態の中で、芸術文化はいかに存在し、生き抜くことができるのだろうか。パンデミックとローカリティを切り口に、芸術文化の多様な担い手に注目した特集「創ることのいまとここ」、ポストトゥルースを起点に現代社会や芸術について考える巻頭対談「ポストトゥルースと「創造」の現在」(大橋完太郎×千葉雅也)、多彩なゲストによるレクチャーシリーズ「書く×編む×作る」(千葉雅也、福永信、佐々木敦、小田原のどか)。これに加えてロングインタビューやエッセイ、クロスレビューや論考を通じて、創造することの現在地点を多角的に描き出す。パンデミックのただ中で創作の現状を捉え直すことは、コロナ以後の芸術文化を模索するためのヒントとなるはずだ。
[巻頭対談]
ポストトゥルースと「創造」の現在——フィクション、資本主義、ポストモダン
大橋完太郎×千葉雅也
[レクチャーシリーズ]
書く×編む×作る
千葉雅也|それぞれの「書けてしまいかた」を発明する
福永信|あらゆる場所に読者を作る
佐々木敦|「色々あって、もう一つ」を実現するために
小田原のどか|彫刻・ジェンダー・乗り心地
[特集]
創ることのいまとここ
PART 1 パンデミック——非常事態の中で
・パンデミック下のクラブカルチャー Kotsu/ミタ/SEKITOVA 聞き手・文=足利大輔
・コロナ禍のアンサンブル 音遊びの会 聞き手・文=羽渕徹
・記憶のダイアローグ サトウアヤコ 聞き手・文=ギサブキリコ
PART 2 ローカリティ——創る/生きることの足元
・インディペンデントな批評誌を作る 渋革まろん/依田那美紀 聞き手・文=八坂百恵
・記憶をかたどる ベ・サンスン 聞き手・文=尾角朋子
・複合的な人々 太田泉/長谷川実央/小西雄次郎/片山逹貴/勝間田菜穂/岡本昌也/黒木結 聞き手・文=中谷利明
・みんなで、ちょっとひとやすみ 足利大輔/日岡美穂/山田真也 聞き手・文=廣橋美侑
[ロングインタビュー]
中尾拓哉 生活と制作をめぐる評論 聞き手・文=海老塚伸之
篠原雅武 再物質化する環境 聞き手・文=山田真也
[エッセイ]
月と銀閣寺を愛でる 文=日岡美穂
アートを買う 文=淺井忠博
[クロスレビュー]
パンデミック下で作品を捉えなおす
「杉本博司 瑠璃の浄土」展
「京芸 transmit program 2020」展
「生誕140周年 熊谷守一展 わたしはわたし」
「ニューミューテーション#3」展
[論考]
池田剛介 パンデミック下で考える、分割と均衡のオルタナティヴ