椹木 野衣著
出版社: 美術出版社
出版社サイトよりーーーーーーーーーーーー
自然災害による破壊と復興、そして反復と忘却を繰り返してきた日本列島という「悪い場所」において、はたして、西欧で生まれ発達した「美術」そのものが成り立つのかー。東日本大震災をひとつのきっかけに、日本列島という地質学的条件のもとに、「日本列島の美術」をほかでもない足もとから捉え直すことで、「日本・列島・美術」における「震災画」の誕生、そして、そこで「美術」はいかにして可能となるのかを再考する画期的な試み。第25回吉田秀和賞受賞『後美術論』に続く、新たな美術史を紡ぎ出す画期的美術評論。『美術手帖』2014年3月号から連載された「後美術論 第二部・流浪篇」より全11回を収録。
著者略歴:
1962年埼玉県生まれ。 故郷の秩父で音楽と出会い、京都の同志社で哲学を学んだ盆地主義者。 美術批評家として会田誠、村上隆、ヤノベケンジら現在のアート界を牽引する才能をいち早く見抜き、発掘してきた。 既存のジャンルを破壊する批評スタイルで知られ、蓄積なしに悪しき反復を繰り返す戦後日本を評した「悪い場所」(『日本・現代・美術』新潮社)という概念は、日本の批評界に大きな波紋を投げかけた。 ほかにも読売新聞(2010-2011)、朝日新聞(2017-)の書評委員としてあらゆる分野にわたる書評多数。 多摩美術大学教授にして岡本太郎「芸術は爆発だ!」の精神的継承者。 芸術人類学研究所所員も務める。1児の父。 おもな著書に、『シミュレーショニズム』(増補版はちくま学芸文庫)、『反アート入門』『アウトサイダー・アート入門』(ともに幻冬舎)、『太郎と爆発』(河出書房新社)、『後美術論』(美術出版社、第25回吉田秀和賞)、『震美術論』(美術出版社、平成29年度芸術選奨文部科学大臣賞)。