著者:ヒト・シュタイエル
出版社:フィルムアート
サイズ:四六判
デジタル・グローバリゼーション時代のアートの機能とは何なのか? 現代美術、資本主義、政治、戦争、破壊されたインターネットの交差点で、不平等の時代のアートと、その生産・流通・消費の変容を考察する。 挑発的でクリティカルな、“カミング・ダーク・エイジ”の芸術論。 スパム、ボット軍団、ウィキリークス・ファイル、電子メールのロマンス詐欺、通貨としてのアート、3Dプリンター技術、ビデオゲーム、政治的アクション、ファシズム、言語……無数の複雑で現代的なトピックを用い、驚くべき方法論で、グローバリゼーションによる富と権力の格差、高度にコンピュータ化された時代の視覚文化やアート制作における矛盾を明らかにする。 グローバル資本主義と結託したアート界を批判する姿勢を貫き、アート、政治、テクノロジーの交差点で思考するアーティストによる現代メディア批評/芸術論、待望の邦訳。
著者略歴
【著者】
ヒト・シュタイエル (Hito Steyerl)
アーティスト、映像作家、著述家。1966年ドイツ、ミュンヘン生まれ。日本映画学校(現・日本映画大学)に学び、ミュンヘン映像単科大学でドキュメンタリー制作を専攻。オーストリアのウィーン美術アカデミーで哲学の博士号を取得。単著に『真実の色』(2008)、『スクリーンに呪われたる存在』(2012)、『表象の向こう側』(2016)がある。2019年にケーテ・コルヴィッツ賞を受賞。主な個展に、「アイ・ウィル・サバイブ」(ノルトライン゠ヴェストファーレン美術館、ポンピドゥー・センター、2020–21)。現在、ベルリン芸術大学美術学部教授。
【訳者】
大森俊克(おおもり・としかつ)
欧米現代美術史研究。ベルリン自由大学美術史学科、基礎および本課程修了(修士)。著書に『コンテンポラリー・ファインアート』(美術出版社)。訳書にクレア・ビショップ『人工地獄──現代アートと観客の政治学』(フィルムアート社)。