著者: 椹木 野衣
出版社: 世界思想社
サイズ:13.2 x 18.7 cm
子供の絵はなぜいいの?絵はどうやって見てどう評価すればいい?美術批評家・椹木野衣は、どのようにつくられ、どんなふうに仕事をして生きているのか?絵の見方と批評の作法を伝授し、批評の根となる人生を描く。著者初の書き下ろしエッセイ集。
Ⅰ 絵の見方、味わい方
かたまりとしての思考/絵を前に思いをめぐらす/感想は言わない/
子供の絵/初めての西洋美術/美術館鑑賞術1 歩くスピード/
美術批評家になるには/美術館鑑賞術2 売り文句を疑う/
美術館鑑賞術3 東京で歩きまわる/美術の母語/
絵をまるごと呑み込む/イギリスでダリと再会
Ⅱ 本の読み方、批評の書き方
本をどう選べばいいか/書くための読書術1 本の食べ方/
書くための読書術2 生涯で読み込める本の数/書くための読書術3 惑星のような本/
キータッチ――対話しながら書く/手書きを大事に――息を止めて推敲する/
日本語の批評/展覧会図録の横書き/
ツイッターの書き方/スマホとのつきあい方/眠りと執筆/蔵書と家
Ⅲ 批評の根となる記憶と生活
家が自分に住み着く/批評の根/私の育った秩父/
子供のころ恐怖を感じたマンガ/秩父と京都の反骨精神/
青春の暴走とギター/なんでもありの音楽から批評家へ/
批評の姿勢を身につけた大学時代/憑依する音楽/究極の呑み方/
飛行機の座席の選び方/子育てと批評/部屋の外の世界に気づく
著者略歴:
1962年埼玉県生まれ。 故郷の秩父で音楽と出会い、京都の同志社で哲学を学んだ盆地主義者。 美術批評家として会田誠、村上隆、ヤノベケンジら現在のアート界を牽引する才能をいち早く見抜き、発掘してきた。 既存のジャンルを破壊する批評スタイルで知られ、蓄積なしに悪しき反復を繰り返す戦後日本を評した「悪い場所」(『日本・現代・美術』新潮社)という概念は、日本の批評界に大きな波紋を投げかけた。 ほかにも読売新聞(2010-2011)、朝日新聞(2017-)の書評委員としてあらゆる分野にわたる書評多数。 多摩美術大学教授にして岡本太郎「芸術は爆発だ!」の精神的継承者。 芸術人類学研究所所員も務める。1児の父。 おもな著書に、『シミュレーショニズム』(増補版はちくま学芸文庫)、『反アート入門』『アウトサイダー・アート入門』(ともに幻冬舎)、『太郎と爆発』(河出書房新社)、『後美術論』(美術出版社、第25回吉田秀和賞)、『震美術論』(美術出版社、平成29年度芸術選奨文部科学大臣賞)。