出版社: HeHe
サイズ: 25.5 x 18.0 cm
彫刻や言葉、オブジェを用いたインスタレーションによって国際的に評価を集める美術家、マーク・マンダース。
国内美術館ではじめてとなる個展開催にあわせ、待望の日本初作品集発売!
マンダースの作品は「建物としての自画像」という構想に沿って、その建物の部屋に置くための彫刻や言葉、オブジェの制作、作品が配置される空間全体をインスタレーションとして展開します。それは自身が架空の芸術家として名付けた「マーク・マンダース」その人の自画像を数々の作品を通して構築するという、きわめて大きな、そしてユニークな枠組みをもつ作品世界です。
個展のカタログを兼ねた本書は、本邦初公開となるヴェネツィア・ビエンナーレに出品された作品や、重要な個展では必ず出品されてきた代表作を含む1000㎡に及ぶインスタレーション・ビューを今井智己が撮影。次章では、展覧会未出品20点を含む、計26点の作品について、マンダース本人によるテキストと図版で解説。その他作家のテキスト「マーク・マンダースの不在」「ドローイングのこと」や、スタジオ写真も収録した、作家マンダースを読み解く、貴重なモノグラフです。
松井みどり(美術評論家)の書き下ろし、オランダ・ボンネファンテン美術館のカタログに収録されたダグラス・フォーグル(キュレーター)によるエッセイ、本展を担当した鎮西芳美(東京都現代美術館学芸員)の論考によって、その作品が持つ魅力や意味を多面的に解説します。
マーク・マンダース(Mark Manders)
1968年、フォルケル(オランダ)生まれ。現在、ベルギーのロンセを拠点に活動。1988年から1992年までアーネム市芸術大学で学ぶ。
1986年より「建物としての自画像」と称した独自のコンセプトを展開。その想像の部屋に置かれる彫刻やオブジェを制作し、一連のインスタレーションとして発表している。また、1998年にはロジャー・ヴィレムスらとともに出版社「ローマ・パブリケーションズ」の設立に関わり、自身のアーティストブックや展覧会カタログをはじめ、他のアーティストの書籍も多く手掛ける。作家の代表作である架空の新聞もこの出版社で制作されている。展覧会としては、これまで、サンパウロ・ビエンナーレ(1998年)、ドクメンタ11(2002年)、ヴェネツィア・ビエンナーレ(2013年)など多くの国際展に参加。個展として、2008年から2009年にわたるヨーロッパ巡回展、2011年のアメリカ巡回展など多数。2020年にはオランダのボンネファンテン美術館で大規模な個展が開催。近年は、パブリック・アート・ファンド・プログラム(2019年、セントラル・パーク、ニューヨーク、アメリカ)、ローキンスクエア(2017年、アムステルダム、オランダ)で大規模な屋外彫刻を手掛けている。日本での主な展示として《東京 ニュースぺーパー》を含む「テリトリー オランダの現代美術」オペラシティ・アートギャラリー(2000年、東京)、「あいちトリエンナーレ」(2016年、愛知)、「ミヒャエル・ボレマンス マーク・マンダース ダブル・サイレンス」金沢 21 世紀美術館(2020年、石川)がある。