"未完の始まり:未来のヴンダーカンマー"
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Title: "未完の始まり:未来のヴンダーカンマー"
Author: 東浩紀(批評家、哲学者)、能勢陽子(豊田市美術館学芸員)
Publisher: HeHe
言語: 日本語/英語
サイズ: 18.8 × 25.8 cm


絵画や彫刻に加え、動物の剥製や植物標本、地図や天球儀、東洋の陶磁器など、世界中からあらゆる美しいもの、珍しいものが集められた「ヴンダーカンマー(驚異の部屋)」。15世紀のヨーロッパで始まったこの部屋は、美術館や博物館の原型とされています。それは、見知らぬ広大な世界を覗き見る、小さいながらも豊かな空想を刺激する展示室でした。しかし、大航海時代の始まりとともに形成されたヴンダーカンマーには、集める側と集められる側の不均衡や異文化に対する好奇のまなざしも潜んでいました。
グローバル化が進み、加速度的に世界が均質化していくなかで、今改めて文化や伝統とはなにか、また他文化や他民族とどう出会うかが問われています。かつて「博物館行き」は物の終焉を意味する言葉でしたが、5人の作家たちは、歴史や資料を調査・収集し、現代のテクノロジーを交えながら、時を超えた事物の編み直しを試みます。
豊田市美術館の隣に新たに博物館が開館するにあたり企画された展覧会「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」では、文化表象の実践の場としてのミュージアムの未来の可能性を探ります。
図録となる本書では、展示風景で構成されたカラーページと、論考や資料をまとめたテキストページを2つの冊子で別綴じにし、図版を見ながらテキストが読める造本により、展覧会の真髄をより理解できる仕上がりとなりました。

出品作家(掲載順):ガブリエル・リコ、タウス・マハチェヴァ、田村友一郎、リウ・チュアン、ヤン・ヴォー

<展覧会情報>
「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」
会場:豊田市美術館
会期:2024年1月20日–5月6日
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