"而今而後(ジコンジゴ) 批評のあとさき" 岡﨑乾二郎

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Title: "而今而後(ジコンジゴ) 批評のあとさき(岡﨑乾二郎批評選集 vol.2)"
Author: 岡﨑乾二郎
Publisher: 亜紀書房
言語: 日本語
サイズ: 21.8 x 15.6 cm


毎日出版文化賞受賞のシリーズ、完結巻!
而今而後(=いまから後、ずっと先も)の世界を見通し、芸術・社会の変革を予見する。稀代の造形作家の思想の軌跡を辿り、その現在地を明らかにする、比類なき批評集。

※本シリーズの各巻は、それぞれ独立した書籍(=批評集)としてお楽しみいただけます。

【推薦】
「岡﨑乾二郎は稀有な存在である。彼にあっては、芸術制作と哲学的認識、自身の生活と社会運動が一つになっている。」
(柄谷行人)

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この世界の外、この時間の先で、世界は起こりつづける。
〈世界(そしてこのわたしもこの社会も)が終わっても、世界は終わらないことをわたしたちはもう知っている。いまの歴史、いや時間そのものが終わっても、その先に世界があること、すでにあったことを知っている。(……)わたしが終わっても、そのわたしを生成させた世界は終わらない。世界は世界を生成させる力を持ちつづける。たえず時間、空間つまり世界は生起している。この世界の外、この時間の先で、世界は起こりつづける〉(本書より)

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【目次】
Ⅰ 而今而後:あとさきへの思慮
而今而後
数万年後の「いまでも」
333からトビウツレ
一人のなかの妖怪たち
礼楽の問題
用がすんだら、片づける
認識の三重苦
第Ⅰ章 著者解題

Ⅱ 非同期性:一致しえないものが一致することの意味
無関係性あるいは非同期性を考察するための差し当たっての注意
非同期性について
現代美術とセンチメント
センチメントと形態
でもの哲学
Before And After Article 9:そして誰もいなくなる
ドアはいつも開いている。
ディランの頭蓋を開ける。:ディランの思想、夢を覗く
愚かな風
第Ⅱ章 著者解題

Ⅲ 何事のおはしますかはしらねども
雨の中に流れる涙。:“PUBLIC ART” の「領域」
日々の諍い、あるいは法外な経験
to be continued :ビリー・クルーヴァーとE.A.T
美術館における現在 メモ
一億年前の森の中で
第Ⅲ章 著者解題

Ⅳ 配景的対応
弱い身体/強い身体
クール
助動詞的空間
天国と地獄
形態の黴
「ウォッチタワー」から「ウォッチマン」へ:二〇年ぶりのジャスパー・ジョーンズ展  
絵画の上の「うわの空」:追悼リキテンスタイン
別の美術館:ラウシェンバーグ回顧展
知覚のカルタ:「没後20年 熊谷守一」展
起源なき夢:建築家アルド・ロッシの死
富士山の曲げごこち:描写の限界
空間の捻挫:描写の限界2 藤森照信《秋野不矩美術館》
落ち葉の気持ち:「近代日本美術の軌跡」展
吉田五十八の呪縛:あらかじめ解かれていた問い
デジタルな感傷:モボ・モガとクラフトワーク
二〇世紀の通常建築:「建築の20世紀」展
蝿をくっつけた蝿取り紙:「ポップ・アート 20世紀の大衆芸術革命」展
返景:「クロード・ロランと理想風景」展
配景的対応:現在望みうる最高のブラック展
菱田春草を見る
第Ⅳ章 編集部解題

Ⅴ アトピーな報せ
彫刻の支持体
ホームレスについて
カテゴリー:移行する記述の運動、としての批評
「芸術」をいかに使うか
放射能/芸術:どこにも帰属しえないメディアとしての
倫理‐植物の報せ
まえがき/あとがき(誰か に教わったこと)
第Ⅴ章 著者解題

あとがき
図版引用・出典一覧

岡﨑 乾二郎(おかざき・けんじろう)
一九五五年東京生まれ。造形作家、批評家。絵画、彫刻、映像、建築など、ジャンルを超えて作品を創造するとともに、美術批評を中心に執筆を続けてきた。一九八二年のパリ・ビエンナーレに招聘されて以来、数多くの国際展に出品し、二〇〇二年にはセゾン現代美術館にて大規模な個展を開催。また、同年に開催された「ヴェネツィア・ビエンナーレ第8回建築展」の日本館にディレクターとして参加するなど幅広い活動を行っている。
主な著書に『近代芸術の解析 抽象の力』『感覚のエデン 岡﨑乾二郎批評選集 vol.1』(共に亜紀書房)、『絵画の素』(岩波書店)、『頭のうえを何かが』(ナナロク社)、『ルネサンス 経験の条件』(文春学藝ライブラリー)、『芸術の設計』(編著、フィルムアート社)、『れろれろくん』(ぱくきょんみとの共著、小学館)、『ぽぱーぺ ぽぴぱっぷ』(谷川俊太郎との共著、クレヨンハウス)、『絵画の準備を!』(松浦寿夫との共著、朝日出版社)、『白井晟一の原爆堂 四つの対話』(共著、晶文社)。作品集に『TOPICA PICTUS とぴか ぴくたす』(urizen)、『視覚のカイソウ』(ナナロク社)、『Kenjiro OKAZAKI』(BankART1929)など。