大竹利絵子 作品集「Hanako」
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大竹利絵子 作品集「Hanako」

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アーティスト: 大竹 利絵子
執筆:堀江敏幸、水沢 勉
出版社:torch press
サイズ:B5変型判並製
言語:日本語/英語
サイズ:27.0 x 22.0 cm

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大竹は樟や檜、桂などを用い、彩色しない素木仕上げの木彫作品を制作してきました。少女や鳥、動物などを作品のモチーフとし、すっと立つ凜とした姿勢や、無表情ながらも深遠な強い眼差しは、まるで霊性をもつかのような神秘的な存在感を立ち表します。大竹作品の魅力は、その荒削りな木のなかに佇んでいる存在の繊細さにあります。いつかの、どこかの記憶のような夢のような人や鳥やシーンが、見る人のどこかにつながってその魅力が広がります。 

本作品集では、最初期となる2006年から2022年の最新作まで、大竹の制作の変遷を辿ります。また初めて取り組んだ版画作品、これまで公開されてこなかったドローイング、そして制作過程が垣間見えるアトリエの風景をも散りばめながら、その創作の周縁を掘り下げます。木の硬質さとしなやかさに宿る幾多の生命は、生と死の間に浮かぶ曖昧な時間に漂いながらも、ずっとそこに佇んでいたかのような確かさを持ち合わせています。ディテールまでこだわった須山悠里による装丁、そして堀江敏幸、水沢勉によるテキストによって、その作品世界をさらに押し広げています。 

奥行きしかない世界で、形があるのにないかのようにふるまうことができれば、私たちもひとつのGhostになる。これほど重量のある硬い木の肌理と空間のなかで自身を浮き上がらせる明確なライン取りが認められるにもかかわらず、全体は亡霊のようになって、自分がいなくても輝いていられる世界のありかたを教えてくれる。
堀江敏幸「魂が鳥になるとき―大竹利絵子作品集に寄せて」(寄稿文より)

大竹利絵子の居場所は、作品についても作者についても、内と外とののあわいの、濁点が揺れながら移行する、波打ち際のような、まさにその狭間というべき中間点なのではなかろうか。

水沢 勉「さざめく ざわめく。 ―大竹利絵子の居場所」(寄稿文より)

 

大竹利絵子(Rieko Otake)
1978年神奈川県生まれ。2002年東京藝術大学美術学部彫刻科卒業。2004年同大学院美術研究科彫刻専攻修了後、2007年同博士課程を修了。現在、東京藝術大学美術学部彫刻科准教授。主な個展に「あなたはどこから来たの?」(小山登美夫ギャラリー、東京、2021年)、「Way in, or Out」(8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery、東京、2015年)、「たぶん、ミミ」(小山登美夫ギャラリー、東京、2012年)など。主なグループ展として、「彫刻と家」(旧平櫛田中邸アトリエ、東京、2021年)、「真鶴町・石の彫刻祭」(神奈川、2021年)、「刻まれた時間-もの語る存在」(東京藝術大学大学美術館陳列館、東京、2018年)「現代・木彫・根付 (海外巡回展)」(ベトナム日本文化交流センター、ハノイ、2018年)、「アートのなぞなぞー高橋コレクション展 共振するか反発するか?」(静岡県立美術館、静岡、2017年)、「片山正通的百科全書Lifeishard…Let’sgoshopping.」(東京オペラシティアートギャラリー、東京、2017年)がある。2005年第9回岡本太郎記念現代芸術大賞展入選。作品は高橋コレクション、ジャピゴッツィコレクションに収蔵されている。