"タネとヒト: 生物文化多様性の視点から" 西川芳昭 編著

"タネとヒト: 生物文化多様性の視点から" 西川芳昭 編著

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編著: 西川芳昭
Publisher: 農山漁村文化協会
言語: 日本語
サイズ: 14.8 x 21.0 cm


日本における種子論議のオピニオンリーダーの一人である、龍谷大学経済学部教授・西川芳昭氏の編著書。
1農家vs企業という単純な図式を超えた、種子をめぐる複雑な現実に光をあて、2日本だけでなくアジアの小農・家族農を対象に農家の生き方や言葉にならない感覚を重視し、3生物文化多様性の視点からタネとヒトとの持続的な関係を提言している。タネを播き育て次代に引き継いできた農家の現実・実感・思いから語る本書は、経済的、政治的な視点で語られがちな種子論議に一石を投じるものといえる。

【目次】
第1章 生物文化多様性の視点からタネとヒトとの関係の豊かさを研究するとは
第2章 タネを採るヒトはタネとどのような関係を築いているのか
第3章 地域品種の継承とその多様な意味――中山間集落の全農地通年調査から
第4章 農家の庭木果樹にみる民衆の生存・生活価値――無償労働にみる「いきいきと生きる」ことの意味
第5章 豊かな食は遺伝資源から――ワサビが教えてくれること
第6章 アジアの小農とタネとの関係1――ミャンマーの国民野菜CHINBAUNG(チンバオ)のタネをめぐる仕組み
第7章 アジアの小農とタネとの関係2――ネパールにおけるソバとカラシナの調査からみえてきたもの
第8章 東アジアの種子管理組織とそのメカニズムの特性とは何か――日韓台の政府系ジーンバンクと非営利組織の活動から
第9章 「支配」の観点から捉えた大手種苗会社と農業者の関係性
第10章 “人類共通の遺産”としての種子に関する国際社会の努力と利害関係者の協力に向けて
第11章 種子を共的世界に取り戻すことは可能か――コモン化(commoning)の視点から
第12章 ヒトとタネの多層的関係を基盤とした農の営みの持続を目指して

■編著者
西川芳昭 龍谷大学経済学部教授

■著者(執筆順)
宇根 豊 百姓・農と自然の研究所代表
小林邦彦 総合地球環境学研究所研究員
河合史子 総合地球環境学研究所研究員(非常勤)
広田 勲 岐阜大学応用生物科学部助教
大和田興 茨城県農業総合センター農業研究所研究員
山根京子 岐阜大学応用生物科学部准教授
長嶋麻美 東京農業大学博士課程修了(農学博士)
渡邉和男 筑波大学生命環境系教授
河瀨眞琴 東京農業大学農学部教授
Ohm Mar Saw 元農業・畜産・灌漑省(ミャンマー連邦共和国)農業研究局バイオテクノロジー・植物遺伝資源・植物保護部主席研究員
入江憲治 東京農業大学国際食料情報学部教授
冨吉満之 久留米大学経済学部准教授
Bimal Dulal NPO法人ラブグリーンジャパン・プログラムオフィサー
吉田雅之 農業・元ネパール派遣青年海外協力隊員
坂本清彦 龍谷大学社会学部准教授
岡田ちから 特許業務法人秀和特許事務所弁理士
田村典江 総合地球環境学研究所上級研究員

西川芳昭
龍谷大学経済学部教授。著書『食と農の知識論―種子から食卓を繋ぐ環世界をめぐって』(東信堂、2021年)、『持続可能な暮らしと農村開発―アプローチの展開と新たな挑戦』(イアン・スクーンズ著、監訳、明石書店、2018年)、『種子が消えれば、あなたも消える―共有か独占か』(コモンズ、2017年)、『生物多様性を育む食と農―住民主体の種子管理を支える知恵と仕組み』(編著、コモンズ、2012年)『作物遺伝資源の農民参加型管理―経済開発から人間開発へ』(農文協、2004 年)ほか。