Title: "奇想の系譜——又兵衛-国芳"
Author: 辻惟雄
Publisher: 筑摩書房
言語: 日本語
サイズ: 10.0 x 2.7 cm
江戸のアヴァンギャルド
奇矯で幻想的な画家たちの大胆な再評価で
絵画史を書換えた名著
意表を突く構図、強烈な色、グロテスクなフォルム―近世絵画史において長く傍系とされてきた岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳ら表現主義的傾向の画家たち。本書は、奇矯(エキセントリック)で幻想的(ファンタスティック)なイメージの表出を特徴とする彼らを「奇想」という言葉で定義して、“異端”ではなく“主流”の中での前衛と再評価する。刊行時、絵画史を書き換える画期的著作としてセンセーションを巻き起こし、若冲らの大規模な再評価の火付け役ともなった名著、待望の文庫化。大胆で斬新、度肝を抜かれる奇想画家の世界へようこそ! 図版多数。
解説=服部幸雄
【目次】
憂世と浮世―岩佐又兵衛
桃山の巨木の痙攣―狩野山雪
幻想の博物誌―伊藤若冲
狂気の里の仙人たち―曽我蕭白
鳥獣悪戯―長沢蘆雪
幕末怪猫変化―歌川国芳
辻惟雄( つじ・のぶお )
1932年、名古屋市生まれ。美術史研究家。東京大学大学院美術史博士課程中退。東京国立文化財研究所美術部技官、東北大学文学部教授、東京大学文学部教授、国立国際日本文化研究センター教授、千葉市美術館館長、多摩美術大学学長などを歴任。ユニークな視点で、従来あまり注目されてこなかった日本人の美意識、日本美術におけるエキセントリックな表現や「かざり」「アニミズム」などの遊びの精神の発掘を行なう。主な著書に『奇想の系譜』『奇想の図譜』(ちくま学芸文庫)、『日本美術の歴史』(東京大学出版会)、『奇想の発見』(新潮社)などがある。