アートブック新入荷(2023年8月)

アートブック新入荷

新入荷のアートブックをピックアップしてご紹介します。

  1. 「お裁縫箱」 大橋 愛
  2. 「制作ノート 1967-2008」 菅木志雄
  3. 「ニューヨークで考え中(4)」近藤聡乃

「お裁縫箱 」大橋 愛

写真家、大橋愛さんの写真集が届いています。
装丁がとてもきれいで、見返しのページの端が赤い糸でかがられていて、写真集のテーマである「裁縫箱」の手ざわりが感じられる作りになっています。
裁縫箱は持ち主の手しごとの痕跡であり、集積でもあります。
どのようにそれがが作られていったのか想像することは、他者の日々の営みに思いを馳せることであり、自らの日常を見直す時間にもなります。100人の裁縫箱のなかをぜひ覗いてみてください。


 

-----------------------

写真家・大橋愛が写した100人の裁縫箱。 裁縫好きの母が持つ裁縫箱に注目したのが、撮影のきっかけとなり、その後、対象を広げ撮影は続けられました。 代々引き継がれたであろう重厚な裁縫箱から、お菓子の空箱、簡素なプラスチックの工具箱、藤の入れ物、布袋、 小分けのジップロックなど身軽さを感じるものまで、 小さな裁縫箱は、それ自体は日用品でありながら、箱の選び方や、道具の種類、整理や収納の仕方に、 持ち主の個性や指向性があらわれています。
ともに時間を重ね、趣さえ滲ませる裁縫箱から、人の温もりが感じられ、不思議と心落ち着く写真集になりました。

大橋愛(おおはし・あい) 1974年、神奈川県生まれ。1995年、東京綜合写真専門学校卒業。主な個展に「arche」(2019年、POETIC SCAPE、東京)、「イヤーンの村」(2014年、銀座フォト・プロムナード、東京)、「piece」(2013年、FOIL GALLERY、京都/hpgrp GALLERY 、東京)、「UNCHAINED」(2008年、FOIL GALLERY、東京)など。写真集に『arche』(2019年、poetic scape)、『piece』(2013年、 FOIL)、『UNCHAINED』(2008年、FOIL)、『Longe daqui』(2004年、新風舎)がある。

 


「菅木志雄 制作ノート 1967–2008

「もの派」の中心人物として有名な、菅木志雄さんの書籍が届きました。
A5版よりも一回り小さいサイズながら、厚さ5cm、704ページと存在感があります。オレンジ色のシンプルな装丁に、アーティストの手書きの文字。「もの」としての愛着が湧く本です。
40年間、作品制作のアイデアや構想を書きとめていたノートを見ることができる貴重な機会です。菅さんの作品は、木や石といった身近な素材で制作されており、タイトルと作品だけでは理解が進まないときもあります。何を表現しようとしているのか、どのような試行錯誤が行われているのか、アーティストの方からビジネスパーソンまで、ものを作るヒントになりそうな言葉がたくさん見つかりそうです。

 

-----------------------

作品において、多くの要素、実体を用いることは<思考>にある種の<遊び>というかその時点で必ずしも必要でないリアリティーを内包している。
瞬時に捉えられるものと、時間の流れとともに入ってくるものを1場で表現することは、新しい認識の糸口になる。
「アートの本質は全てを表わしあらわにすると同時に、あらわし得ない実体性を呼び覚ますことでもある。」
1960年代末から70年代に勃興し、日本に大きな芸術運動をもたらした「もの派」の中心的作家として、広く世界的に評価を集める菅木志雄。
主に石や木材、金属、ロープ、水などの日常的な素材を、並べる、組み合わせる、立てかけるといったシンプルな行為により生じる、ものともの、場所、人などの関係とその変化を表現しています。
菅の制作のかたわらには、常にアイデアの着想から作品の構想まで、書くことで自身の思考を整理し、展開してきた作家の根幹を成すノートがありました。
本書は1967年から2008年までの間に書かれた20冊のノートから、作家自ら選定したページを掲載。また一部抜粋されたテキストを活字化。
この世の理に、深く向き合い問い続ける作家の、制作の起点が刻まれた全704ページ。

菅木志雄(すが・きしお)
1944年、岩手県盛岡市生まれ。静岡県在住。1968 年多摩美術大学絵画科卒業。1968 年の初個展以降、今までに400を超える国内外の展覧会に参加。近年の主な展覧会として、2016Pirelli HangarBicocca(ミラノ)での個展、Dia: Chelsea(ニューヨーク)での個展、スコットランド国立近代美術館でのカーラ・ブラックとの二人展、2017年第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際展「VIVA ARTE VIVA」、ポンピドゥ・センター・メッスの「ジャパノラマ 1970年以降の新しい日本のアート」展などがある。国内では、2015 年ヴァンジ彫刻庭園美術館、東京都現代美術館「菅木志雄 置かれた潜在性」を同時開催。2021–2022年には故郷の岩手県立美術館で50年の活動を振り返る個展「〈もの〉の存在と〈場〉の永遠」を開催し、大きな話題を集める。作品はポンピドゥ・センター、テート・モダン、ニューヨーク近代美術館、M+や、東京国立近代美術館、東京都現代美術館をはじめ、国内外40以上の美術館に収蔵。

 

 


「ニューヨークで考え中(4)」 近藤聡乃

漫画家、アーティストの近藤聡乃さんの漫画連載「ニューヨークで考え中」の第4巻が発売になりました。コロナ感染の拡大、大統領選挙、ウクライナの戦争と目まぐるしく変わる世界情勢と、少しずつ変わっていく街や暮らし、続いていく日常生活を、近藤さんならではの柔らかな視点で描いています。ほっとできる一冊です。
以下で数話英訳も読むことができます。
https://mangasplaining.substack.com/p/manga-akino-kondohs-noodling-in-new

 

-----------------------

《 窓の向こう、小さな2匹。宝物がまた増えた 》

にぎわいが戻ってきたニューヨークの街。
リフォームされた自宅もいい感じ。
そして、なんとそこには……!

〈まだまだ叶う夢ってあるものね〉私は今日も、ニューヨークで考え中

近藤聡乃
1980年千葉県生まれ。漫画家、アーティスト。2000年にマンガ家デビュー。アニメーション、ドローイング、エッセイなど多岐に渡る作品を国内外で発表している。2010年、アニメーション「てんとう虫のおとむらい」ダイジェスト版が「YouTube Play. A Biennial of Creative Video」(グッゲンハイムミュージアム、ニューヨーク)においてTop25に選出。2011年、個展「KiyaKiya」(ミヅマアートギャラリー、東京)において、アニメーション「KiyaKiya」を発表。コミックスに『はこにわ虫』『いつものはなし』(ともに青林工藝舎)『うさぎのヨシオ』『A子さんの恋人』全7巻(ともにKADOKAWA)、作品集『近藤聡乃作品集』(ナナロク社)、エッセイ集『不思議というには地味な話』(ナナロク社)などがある。本連載をまとめた単行本『ニューヨークで考え中』1~4(亜紀書房)も好評発売中。2008年よりニューヨーク在住。
公式HP http://akinokondoh.com/




LUCKYRECORDSでは、著者やアーティストの独自の見解に基づきコンテンツを制作しております。
コンテンツをご覧になったお客様が当社以外のECサイト等でも購入できるようリンクを設置しておりますので、ECサイト等から手数料を受領しておりますが、コンテンツの内容には一切関与しておりません。ECサイトやメーカー等による広告については、別途広告である旨明記いたします。