ヌリア・ユスト インタビュー
"私は皮肉っぽいダークなユーモアがあるから、このインターネット文化に共感しているんだと思う"
スペイン・バルセロナを拠点に活動するイラストレーターヌリア・ユスト(Núria Just)。彼女のキャリアや作品について詳しく話を聞いてみました。
ヌリア・ユストは、イラストレーターとして、The New YorkerやVICE、EA Games、Prime Videoなど多くのクライアントワークを抱え、フェスティバルのイメージ、プロダクトデザイン、テキスタイルパターン、コミックなど、幅広い分野で活躍しています。
MTVのミュージックビデオ、テレビゲーム、アニメやテレビシリーズ、漫画など、映像文化から影響を受けたという彼女の作品は、鮮やかな色彩、カリスマ的で不器用なキャラクター、キャッチーな構図が特徴で、ときに皮肉やほんのりビターなトーンが織り込まれます。
- 絵を描き始めたきっかけは?
子供の頃から絵を描いていました。
主にイラストレーターとしてね。描いていなかったときの記憶はないくらい。
MTVのミュージックビデオ、テレビゲーム、アニメやテレビシリーズ、漫画など、いつも映像カルチャーに惹かれてました。
だから、自然と高校卒業後の進路はそれに関連したものになりました。グラフィックデザインを学んでいたけれど、私の興味は常にイラストレーションに向いていました。
それに、私の父は空手の先生で、いつもマンガなどの日本文化に興味を持っていたんです。「アキラ」なんかを教えてくれました。
- これまでの主な作品や活動について教えてください。
エディトリアル、広告、コミックなど、イラストレーションのさまざまな分野で仕事をしています。
一番好きなのはポスターです。映画のポスターを彷彿とさせるような美的感覚を、グラフィックの側面から表現するのが好きなんです。タイポグラフィとか。
- 現在の仕事にもつながる経験やインスピレーションのもととなっているものがあれば教えて下さい
趣味がインスピレーションの元になっています。
最近はアジアを旅しています。韓国と日本には本当に刺激を受けました。パッケージや商品のデザインに気を配っているところとか...。
文房具屋に行くと、いつも絵を描きたくなります!
- コミックやアニメ、ゲームのようなカルチャーからの影響を感じますが、具体的な作品や、シーンなどがあれば教えていただけますか?
具体的な作品はいくつか思い浮かびます。
コミックでは、 エヴァンゲリオン、ヘルタースケルター、ゴーストワールド、ピンポンなど。
アニメについては、FLCL(フリクリ)、エヴァンゲリオン、カレカノ(彼氏彼女の事情)、ウテナ(少女革命ウテナ)。
ゲームでは、 バスト・ア・グルーヴ(日本では「バスト・ア・ムーブ ダンス&リズムアクション」)、ジェットセットラジオ、鉄拳、ファイナルファンタジー。
- インターネットやミームカルチャーととても近いように感じますが、どのような距離感でいますか?
素晴らしい世界!今は人とつながる手段だと感じています。
ミームを通じて感情や気持ちを表現できる。それに、私は皮肉っぽいダークなユーモアがあるから、このインターネット文化に共感しているんだと思う。
- あなたの仕事にとって重要なコンセプトはありますか?
友情や女性同士の親密な連帯(Friendship and sisterhood)は常にそこに存在しています。
でも、それは私の人生にも存在しているし、私にとって本当に重要なことです。
それと、私は標準的な美しさを持たないキャラクターをデザインするのが好きなんです。標準的な美しさで描くよりも、その方が面白いし、クールだと思う。
- 今後の活動の予定についてお聞かせください。
フランスのエディトリアルのためにコミックを作っています。
また、フィギュアや大きなフォーマットなど、他のテクニックも試してみたいと思っています。
あなたの作品や背景について理解が深まったと思います。ありがとうございました。
ヌリア・ユスト
スペイン・バルセロナを拠点に活動するイラストレーター。BAU(バルセロナ)でグラフィックデザインを学び、イラストレーション、コミック、アートディレクションを専門とし、エディトリアルデザイン、フェスティバルのイメージ、プロダクトデザイン、テキスタイルパターン、コミックなど、さまざまな分野で活躍している。
彼女の作品は、鮮やかな色彩、カリスマ的で不器用なキャラクター、キャッチーな構図が特徴で、ときに皮肉やほんのりビターなトーンが織り込まれる。
幅広いジャンルの影響力あるクライアントとの仕事や、クリエイティブな表現を通して、独自の世界観を発信している。