現代アートを学ぶ|書店員おすすめ本

雑誌のアート特集や各地で行われているアートフェスティバルを通じ、現代アートの情報を目にする機会は以前に比べ格段に増えてきたように思います。とはいえ、やはり難しい印象を持つ方もまだまだいらっしゃるのではないでしょうか?

また、興味はあるけれど、どこから手を付けていいかわからない、本もたくさんあって選べないという方もいらっしゃると思います。まず少し現代アートを知るために本でも読んでみようかな、という方向けに何冊か現代アートを学ぶための本をご紹介したいと思います。

 

「現代アート事典  モダンからコンテンポラリ-まで……世界と日本の現代美術用語集」

美術手帖編集部

事典という名前から、難しい本をイメージされるかもしれませんが、入門講座+40のテーマで構成されており、実際の作品の画像や挿絵も多くわかりやすいです。まず読んでみるのにおすすめです。入門講座でざっくりとモダン・アート〜コンテンポラリー・アートへの流れを学び、あとは興味のあるテーマ別に拾い読みすると面白いと思います。辞典というだけあって、キーワードからその周辺を学ぶこともできるのが便利です。

 

「めくるめく現代アート」筧 菜奈子

こちらも挿絵が多く難しくないので、とても読みやすいです。重要人物や重要なキーワードはかなり網羅されていますので、楽しく読めると思います。

 

「現代アートの本当の学び方」 

主にアーティストになりたい方向けの「学び方」についての本になります。アーティストがどのように学んできたか、現代アートを学ぶにはどのような手段があるのかといった問いに日比野克彦さん、会田誠さんといった第一線で活躍するアーティストやキュレーター、アートプロデューサーなどが答えています。

 

「現代美術史日本篇1945−2014」中ザワ ヒデキ

戦後の日本の現代美術史をムーブメントと合わせてわかりやすく紹介されています。特にアーティストである著者が関わってくる80年代以降は時代の空気とともにそのアート動向を学ぶことができます。日本の現代アートの美術史に興味がある方はぜひ。

 

「現代美術史 欧米、日本、トランスナショナル」 山本 浩貴

少しレベルが上がりますが、現代アートを美術史として少し深く学びたい方はこちらがおすすめです。欧米と日本の比較、副題にもなっているトランスナショナル(越境的な)な現代の状況が丁寧に説明されています。2000年代以降のアート動向についても目が向けられており、通史的に学べます。

 

「現代アートとは何か」小崎哲哉

欧米を中心とした現代アートの仕組みを知りたい方によい本だと思います。現代アートを知る上で、重要な6つのテーマ(キュレーション、マーケット、アーティスト、ミュージアムなど)について詳しく状況を説明した上で、現代アートの鑑賞方法についても具体的に説明があります。

 

参考になれば嬉しいです。

 

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