Title: "アートとは何か: 芸術の存在論と目的論"
Author: アーサー・C・ダントー
翻訳: 佐藤 一進
Publisher: 人文書院
言語: 日本語
サイズ: 13.4 x 18.9 cm
何が作品をアートにするのか?
ミケランジェロ、フランチェスカ、ダヴィッド、ピカソ、マティス、マネ、デュシャン、ケージ、ウォーホルなど多くの古今の傑作(マスターピース)を取り上げ、プラトンからデカルト、カント、パースにいたる美学と哲学を検証しながら、時空を超えて通用する「アート」の定義を提示する。ポップアート以降の芸術論を牽引し、現代美学に多大な影響を与えた著者の遺作。1984年の重要論文「アートの終焉」を特別収録。
「包括的な特徴など何も存在しないがゆえ、アートの定義は不可能であると、指導的な美学者たちは基本的に定めてきた。そこにおいてアートとは、せいぜいのところ一つの開かれた概念にとどまる。しかし、私見によれば、アートは一つの閉じられた概念である必要がある。ある形式(フォーム)のアートがなぜ普遍的であるのかを説明するような、何らかの包括的な特質が存在しなければならない。」(本書より)
<目次>
緒言
第1章 うつつの夢
第2章 修復と意味
第3章 哲学とアートにおける身体
第4章 抗争の終焉――絵画と写真の間のパラゴーネ
第5章 カントとアート作品
第6章 美学の未来
附論 アートの終焉(一九八四年)
アーサー・C・ダントー
Arthur Coleman Danto/1924‐2013年。哲学者、美術批評家。コロンビア大学名誉教授。邦訳に、『言語と哲学の世界』(薗田勲訳、社会思想社、1980年)、『物語としての歴史 歴史の分析哲学』(河本英夫訳、国文社、1989年)、『哲学者としてのニーチェ』(眞田収一郎訳、風濤社、2014年)、『芸術の終焉のあと 現代芸術と歴史の境界』(山田忠彰監訳、三元社、2017年)、『ありふれたものの変容 芸術の哲学』(松尾大訳、慶應義塾大学出版会、2017年)、「『芸術界』ふたたび」(高階絵里加訳、『すばる』1994年12月)、「芸術の終焉の後の芸術」(高階秀爾訳、『中央公論』1995年4月)、「アートワールド」(西村清和編・監訳『分析美学基本論文集』勁草書房、2015年)などがある。
佐藤 一進(さとう・たかみち)
1978年岩手県生まれ。京都大学経済学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。京都精華大学芸術学部専任講師、同准教授を経て、現在、神戸学院大学法学部准教授。政治思想史専攻。単著に『保守のアポリアを超えて 共和主義の精神とその変奏』(NTT出版、2014年)、共著に『共和主義ルネサンス』(NTT出版、2007年)、『ナショナリズムの政治学』(ナカニシヤ出版、2009年)、『現代社会論のキーワード』(ナカニシヤ出版、2009年)などがある。