「絵画の力学」沢山遼

「絵画の力学」沢山遼

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著者:沢山遼
出版社:書肆侃侃房
サイズ:A5判

 


美術作品は思想たりうる。そしてその思想は事物としての作品にこそ結実している。
事物としての作品の徹底した調査、精緻な分析が導き出すのは、別の思想の可能性である。
かつて現代美術と呼ばれた作品たちを、現代(その時代の拘束)から解放するために、著者は作品のいかなる細部も見逃さない。
いまだ考えるに値し、制作するに値する、さまざまな問題=主題群がそこにある。
それを教え、元気を与える、これが批評の本来あるべき姿だ。
この真摯な純度を見よ!
──────岡﨑乾二郎
 
芸術を経験することとは、振動する差異と諸力のただなかに巻き込まれることだ。芸術の思考=批評はそこから開始される。
アンディ・ウォーホル、ジャクソン・ポロック、バーネット・ニューマン、カール・アンドレ、ロバート・モリス、香月泰男、福沢一郎、辰野登恵子、高松次郎、ゴードン・マッタ゠クラーク、ロザリンド・クラウス、クレメント・グリーンバーグ、イサム・ノグチ──。
「美術手帖」芸術評論募集第一席を受賞した著者による堂々たる初の単著。単行本書き下ろしとして、イサム・ノグチ論「火星から見られる彫刻」を収録する。美術批評の新たな達成。

著者略歴:
1982年、岡山県生まれ。近現代美術/美術批評。武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程修了。2009年「レイバー・ワーク──カール・アンドレにおける制作の概念」で『美術手帖』第14回芸術評論募集第一席。主な共著に『現代アート10講』(田中正之編著、武蔵野美術大学出版局、2017年)などがある。