「虚像培養芸術論 アートとテレビジョンの想像力」松井茂 | Shigeru Matsui (Japanese)

「虚像培養芸術論 アートとテレビジョンの想像力」松井茂 | Shigeru Matsui (Japanese)

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著者: 松井茂
出版社:フィルムアート
サイズ:四六版

1960年代、テレビジョンの想像力=「虚像」がアートを起動した。

磯崎新は都市デザインを虚業と称し、横尾忠則は虚像となり、高松次郎は影を演じた。今野勉はテレビの日常性を主張し、東野芳明は「テレビ環境論」を書いた。

マスメディアの想像力を分母に、現代を逆照射する戦後日本芸術論。

本書の目的は、現代芸術がマスメディアを分母とした表現活動を再配置し、テレビジョン=「虚像」が想像力とされた時代の作家像、作品概念を、現代の視点で分析することである。

マスメディア(放送文化と出版文化)を介してはかられる領域横断は、芸術家相互の新たなネットワークを生成し、旧来の制度化された芸術諸分野を解体していた。
「虚像の時代」を問い直すこと、つまりオールド・メディア成熟期をテーマにすることは、ニュー・メディア成熟期を迎える現在の批判理論に繋がる。

本書では、東野芳明・磯崎新・今野勉の思考を軸にマスメディアの中の芸術家像を検証しながら、現代美術、現代思想、現代メディア論を縦横無尽に横断し、メディア芸術の歴史的な視座を編み直していく。
現代芸術は、抵抗文化としてのラディカルな戦略をいかに設計してきたのかを分析する。

著者略歴:
1975年東京生まれ。詩人、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]准教授。共編に『虚像の時代 東野芳明美術批評選』(河出書房新社、2013)、『日本の電子音楽 続 インタビュー編』(engine books、2013)等。共著に『FABに何が可能か 「つくりながら生きる」21世紀の野性の思考』(フィルムアート社、2013)、『キュレーションの現在 アートが「世界」を問い直す』(フィルムアート社、2015)、『テレビ・ドキュメンタリーを創った人々』(NHK出版、2016)等。監修に『美術手帖』の特集「坂本龍一」(2017)、「平成の日本美術史 30年総覧」(2019)、『現代思想』「磯崎新」(2020)等。キュレーションに「磯崎新12×5=60」(ワタリウム美術館、2014)、「磯崎新の謎」(大分市美術館、2019)等。詩集に『二●二●』(engine books、2020)等。